新生児から15歳以下までの小児の外科疾患が対象です(小児期からの疾患が継続する場合は15歳以上になっても診療を行います)。
新生児外科疾患においては周産期センターとの連携により、母体搬送・産院からの新生児搬送が可能です。乳児・学童においても救急対応が可能で小児病棟(こどもセンター)において小児科医との連携のもとに集学的治療が行われます。また、川崎市にあります聖マリアンナ医科大学病院小児外科と、月に一度の合同カンファレンスを行い重症疾患や気管手術・腹腔鏡手術などの先端医療にも対応しています。
私たちは「生命の尊厳を重んじ、常に病める人の声に耳を傾け、癒すこと」という理念に基づき、小児外科の先進的な治療を行えるよう力を注ぐとともに、日常的疾患の治療についても横浜市西部地区を中心とした地域医療の主体となるべく積極的に治療に取り組んでいます。
診療科の特色
外来受診について
予約外の方も常時受け付けており、緊急の場合は外来日以外(時間外)でも適時受け付けております。電話でお問い合わせください。
外来担当医表
診療 時間 |
午前 | 午後 |
---|---|---|
月 | (手術日) | (検査日) |
火 | 川口 皓平 | (手術日) |
水 | (手術日) | 【新生児外科外来】 ◎脇坂 宗親 川口 皓平 |
木 | ◎脇坂 宗親 |
(手術日) |
金 | (手術日) | (手術日) |
土 (第1・3週) ※初診外来 |
〈休診〉 | ー |
土 (第2・4・5週) |
◎脇坂 宗親 川口 皓平 川瀬 弘一 |
ー |
主な対象疾患・治療法
主な対象疾患
1. 15 歳以下(新生児を含む)の体表、呼吸器、腹部臓器の外科疾患一般。
・顔面・口腔疾患(舌小帯短縮症、正中頚嚢胞、側頸瘻、耳前瘻孔など)
・呼吸器疾患(肺分画症、肺嚢胞性疾患、漏斗胸、横隔膜ヘルニアなど)
・消化管疾患(壊死性腸炎、食道閉鎖症、腸閉鎖症、直腸肛門奇形、ヒルシュスプルング病、腸回転異常症、肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流症、メッケル憩室など)
・体表疾患(鼠径ヘルニア、陰嚢水腫、臍ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、リンパ管腫、血管腫など)
・肝・胆道疾患(胆道閉鎖症、胆道拡張症など)
・泌尿器疾患(包茎、停留精巣、移動性精巣、陰唇癒合症など)
・固形腫瘍(神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、奇形腫など)
・日常よくみる疾患(肛門周囲膿瘍、痔瘻、裂肛、腸重積症、急性虫垂炎、消化管・気道異物、便秘など)
2. 血便、嘔吐、腹痛、便秘、腫瘤、黄疸等の症状の精査も行っています。
3. 重症心身障害児・者の手術(気管切開術、喉頭気管分離術、胃瘻造設術、噴門形成術など)
4. 小児外傷(交通外傷、胸腹部外傷など)
治療法について
・漏斗胸
保存的治療(バキュームベル)、手術治療(Nuss法)を行っています。
・リンパ管腫
内服治療(漢方薬の越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう))、OK432局注療法、手術治療を行っています。
・乳児血管腫(いちご状血管腫)
内服治療(βブロッカー治療)、レーザー治療(皮膚科)、手術治療を行っています。
取り扱い症例数・治療成績等
取り扱い症例(年度実績) | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|
新外来患者数 | 288人 | 292人 | 307人 | |
外来患者延数 | 1,769人 | 1,678人 | 1,764人 | |
新入院患者数 | 151人 | 136人 | 163人 | |
入院患者延数 | 877人 | 737人 | 878人 | |
平均在院日数 | 4.0日 | 4.2日 | 4.0日 |
年間の全手術数は約200 例です。小児鼠径ヘルニアは毎年100 例以上の手術があり、一泊二日入院で行っています。腹腔鏡下ヘルニア手術(LPEC法)を標準術式としておりますが、通常のLPEC法よりも傷の目立たない臍内2ポート法での腹腔鏡手術を行っております。急性虫垂炎の緊急手術時も腹腔鏡手術を標準術式としていますが、より傷の少ない単孔式腹腔鏡手術を導入しております。新生児手術は年間約20 例あり、食道閉鎖症・腸閉鎖症・鎖肛など重症疾患の手術成績も良好です。新生児手術も腹腔鏡手術や、傷の目立ちにくい臍部切開法などを安全性を考慮した上で行っております。
地域医療連携について
1.横浜市西部地区における小児外科疾患診療(外来・入院)の中心的な役割をはたしております。
2.再診外来予約制を実施し、患者さんには待ち時間が少ないスムーズな病診連携を心がけております。
3.重症心身障がい児・者への外科的治療・支援を行っております。
4.周産期センターとの連携により、母体搬送・産院からの新生児搬送が可能です。
5.かかりつけ医からの緊急問い合わせに関しては、時間外でも対応させていただきます。
6.地域の小児診療に携わる先生方と一緒に「Face to Face」と呼ぶ小児医療連携セミナーを開催し、病診連携に取り組んでおります。
こどもセンターの特徴
小児の入院病棟は「こどもセンター」として、小児内科を中心に小児外科、 耳鼻咽喉科、眼科、脳外科、整形外科、皮膚科、形成外科などが、従来の診療科の枠を超えて、 各科の専門性に加えてチーム医療を行うことにより質の高い診療を目指しています。
原則的には完全看護を実施しお子様だけの入院ですが、希望される場合は保護者の付き添いも考慮しています。
入院患者の学習室を備えています。プレイルームを完備し、専任の保育士を中心にやボランティアの協力も得て、こどもの成長発達に見合った保育を実施しています。音楽会、夏祭り、クリスマス会、餅つき大会なども開催し、こどもに優しい病棟になるよう努めております。
周産期センター新生児部門で長期入院の赤ちゃんのスムーズな在宅治療に向けた退院直前の短期間入院の病棟としても機能します。
横浜市の在宅重症心身障害児のメディカルショートステイの協力機関病院としても活動しています。