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小児外科

整容性と安全性のバランスのとれた小児手術

安全な手術ができる患者さんの状態、疾患の際は整容性(キズの見た目)に極力考慮した手術をしています。腹腔鏡手術や傷の目立ちにくい臍部切開法などを採用しています。

整容性と安全性のバランスのとれた手術とは

こどもの手術のキズは何十年と残ります。だから整容性(キズの見た目)にこだわります。こどもの手術はからだに何十年と影響します。だから安全性にこだわります。しかし整容性と安全性が両立できないことがあります。このバランスをとった手術をすることが小児外科医の命題だと思います。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(臍内2ポート法)

小児鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(LPEC法)を標準術式としておりますが、通常のLPEC法よりも傷の目立たない臍内2ポート法での腹腔鏡手術を行っております。


術後1週間のキズです。おへそに2か所キズをつけていますがしわに隠れてほとんど目立ちません。鼠径ヘルニアがある側の足の付け根あたりにキズがありますが(この症例では左のみ)、ほとんどわからないくらい小さいキズです。

臍部切開法による新生児・乳児開腹手術

新生児・乳児期に手術が必要となる場合、必ずしも開腹手術よりも腹腔鏡手術の方が整容性に優れているわけではありません。胎児診断症例や肥厚性幽門狭窄症などの開腹手術ではキズの目立ちにくい臍部切開法を行っています。しかし新生児・乳児期に開腹手術が必要となる場合は緊急性が高かったり、全身の状態が悪かったりすることがあるため、整容性よりも安全性を重視した通常の開腹手術をしないといけないこともあります。

生後1ヵ月肥厚性幽門狭窄症術後2日目のキズです。おへその輪郭に沿ってキズをつけており、目立ちにくいキズとなっています。キズは吸収される糸で縫った後に医療用接着剤でコーティングしています。

単孔式腹腔鏡下虫垂切除術

小児急性虫垂炎の緊急手術時も腹腔鏡手術を標準術式としています。腹腔鏡下中膵切除術の中でもよりキズの少ない単孔式腹腔鏡手術を導入しております。通常の腹腔鏡手術(多孔式)ではカメラおよび鉗子2本を挿入するため計3か所のキズをつけますが、単孔式腹腔鏡手術ではおへその1か所のキズからカメラおよび鉗子2本を挿入して手術をします。

急性虫垂炎術後1週間のキズです。おへその縦方向にキズをつけています。キズは吸収される糸で縫った後に医療用接着剤でコーティングしています。術後1週間くらいでこのように医療用接着剤は自然に剥がれてきます。

その他の手術

この他にも鎖肛、Hirschsprung病、尿膜管遺残、腸回転異常症、噴門形成術、胃瘻造設術、脾臓摘出術などでも腹腔鏡手術を行っています。

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