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最新の取り組み紹介

ホーム 最新の取組紹介 CKD教育入院
腎臓・高血圧内科

CKD教育入院

当科では最近CKD(慢性腎臓病)教育入院を始めました。
個々の患者さんの「何が腎不全を進行させているのか」を教育入院で突き止め、また、食事療法を体験していただくことで、今後の治療方針に役立てることができます。

教育入院の目的

①疾患知識を持っていただく、②CKD増悪因子を探す、③塩味認知閾値の改善(減塩食に慣れる)

教育入院のスケジュール(6日間)

一週間のスケジュールは、木曜日に入院し、退院は翌週の火曜日。入院時及び退院時にCKD理解度チェックのためのテストを行い、入院時どこがわからないか、退院後どのくらい理解できたかを把握し、患者さんへフィードバックします。検査の合間に、各職種(医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカー)が、CKDに関する資料を用いて、ご指導させていただいていますが、患者さん本人のみならず、なるべくキーパーソンとなる御家族にも一緒に話を聞いていただく様にしています。入院期間中にDVD鑑賞もしていただき、より理解を深めていただいています。CKD増悪因子を探すため、腹部超音波、頚動脈超音波、ABI/PWV(動脈硬化)、24時間血圧測定などの検査を行います。減塩食に慣れるために、入院中6g/日の減塩食を食べていただき、入院時と退院時に味覚テスト(塩分に対する味覚閾値のテスト)を行い、蓄尿検査(入院時と試験外泊後)で塩分・蛋白摂取量を測定します。

  1. 血圧測定:腎臓病の治療では、血圧管理が一番重要ですが、なかなか自己測定が出来ていない人が多いのが現状です。入院中に血圧測定をご指導し、退院後は、自宅で血圧測定してもらい、血圧手帳を持って外来受診していただいています。
  2. 味覚テスト:腎臓の悪い人の特徴として、塩分に対する感覚が悪くなっていることがあります。味覚試験を実施して、塩分に対する感覚を把握してもらいます。6日間、入院食(塩分1日6g)を食べていただくと、味覚が鋭敏になると言われていて、塩分に対する感覚をすこしでも良くして帰っていただくことを目指しています。
  3. 蓄尿検査:24時間蓄尿による「尿蛋白」「塩分」測定を重視しています。制限できていると思っていても、実際は、どれだけの蛋白、塩分を摂取しているかをご理解いただくことができます。退院後は、ユリンメートという実際の尿量の1/50を溜められる容器で蓄尿してきていただいた結果を用いて、自宅の食事の蛋白、線分摂取量を説明しています。
  4. 腎臓リハビリテーション:腎臓が悪くなると運動してはいけない、安静が大事だと思い込んでいる人が多くいらっしゃいますが、今はそうではなく、ウォーキング、レジスタンス運動などを取り入れることでむしろ腎機能が維持されます。理学療法士が、リハビリ室で筋力評価と、患者様に合ったの運動を具体的にご指導しています。

退院後の外来

腎機能その他の結果説明に加え、ユリンメートでの蓄尿検査から算出した塩分、蛋白摂取量をお伝えし、 栄養相談でより深く説明していただきます。データが安定されましたら、近隣の開業医様にご紹介し、当科とともにフォローさせていただきます。(基本はかかりつけ医に通院、半年~1年毎に当科でフォロー致します。)

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