聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院には、人工関節の手術支援ロボット「ROSA」が導入されています。
人工関節手術では、傷んだ関節と骨を正確な形で取り除き、そこへ人工関節を固定しますが、人工関節の耐久性(手術後にゆるみや摩耗を起こさずに、どれだけもつか)は、この人工関節を固定する骨の切り方に大きくかかっています。
いままでの人工関節手術では、おもに医師が経験や手術中の判断で手術をおこなっていましたが、ロボットを使うことにより、その患者さんに最も適切な位置に正確に人工関節を設置することができます。
人工膝関節の手術では、軟骨がすり減り変形した膝関節の表面を切除して、その切除した表面に金属の関節を固定し、金属と金属のあいだにポリエチレンを差し込みます。このためこの傷んだ関節の切除のしかたが不正確で、斜めになったり、中心からずれたりしますと、設置する人工関節が傾いたり、ずれた状態で固定されてしまいます。人工関節が不正確に設置された場合、体重が人工関節全体に均等にかからずに一部に集中して、ポリエチレンが早くすり減ってしまったり、人工関節そのものが緩む原因になりえます。このため、人工関節の耐久性は、この傷んだ関節の切除をいかに正確に行うかにかかっています。
手術支援ロボットは、患者さんの画像データと手術中の実際の骨の形のデータから、その患者さんにとってもっとも理想的な位置に正確に人工関節を設置することを可能にします。また関節を置換した状態で関節の安定性やバランスを数値化し、手術中に微調整が可能になります。
担当:原口直樹、浅野孝太、有本竜也、加納洋輔
外来日:月曜日、水曜日、金曜日