当院では神奈川県警から指定された、高齢者運転免許診断書作成を行っております。診断確定も重要ですが、可能な範囲で自主返納の勧めも行っております。
一般的な認知機能検査では合格範囲でしたが、疾患特異性および予後を考慮して認知症と診断した画像診断ケースを提示します。
当院で行う評価方法
- 認知機能検査
HDS-R(長谷川式認知症スケール)
MMSE(Mini-Mental State Examinaton)
CDT(Clock Drawing Test)
ADL→FAST(Functional Assessment Staging)
BPSD→NPI(Neuropsychiatric Inventory) - 形態的画像診断(MRは3.0T、Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer‘s Disease;VSRAD利用、MR施行不可ならCT)
- 機能的画像診断(脳血流SPECT、99mTcECD、easy Z-score imagingsystem;eZIS解析利用)
初診時に行うこと
- 警察からの診断書持参で初診
- 公認心理師による問診、HDS-RおよびMMSE
- 専門医診察、CDTおよび必要に応じて認知機能検査追加、ADLおよびBPSDの評価
- 抗認知症薬服用の確認→診察中に自主返納を勧めるか認知症を確定する診断書を作成すると宣告する
- 認知機能検査の結果が低値の場合(HDS-RおよびMMSEとも15点未満)、自主返納を勧める
- 有料検査行う前に、自主返納を勧める
- かかりつけ医または紹介医なし→臨床検査(心電図、一般採血)
2回目以降に行うこと
- 形態的画像診断
- 機能的画像診断
- 症候性てんかんを疑う場合は脳波
- 専門医診察(再診)、画像診断および臨床検査の結果説明
- MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)と判断した場合には、6か月後の再診予約(再度診断書を作成する)
- 判断に迷う場合は、診断書提出期限までに何度か再診予約、ADLの再評価とともに自主返納を勧める
- (了解が得られなくても)諦めずに自主返納を勧める