原口医師は4月より聖マリアンナ医科大学病院へ異動となります。今後の受診におかれましては、大学病院をご受診ください。
部門の特色

足部・足関節はその疾患・外傷の種類が多く専門性が高い分野ですが、この分野特有の創の合併症の対応や術後の荷重制限のために、これに対応した看護や装具の作製、さらには術後の退院・転院支援が必要です。
これらに対応するため、足部・足関節の疾患・外傷に対する高度かつ専門的な医療を、創傷治療やリハビリテーション、装具療法など、治療の全過程で多職種による包括的な治療を提供できる診療体制を構築しています。これにより患者さんが安心して、より高度な医療が受けられることをめざします。
外来日:水曜日、金曜日
取り扱っている主な症状・疾患・症例
足部と足関節の障害は多岐にわたっており、診断そのものが困難であることが多く、治療には高い専門性が必要となります。
足部と足関節(足くび)の慢性疼痛や変形を中心に扱っています。具体的には変形性足関節症(軟骨の磨耗による足の痛み)、足関節骨折・踵骨(しょうこつ)骨折後の変形治癒や足関節捻挫の後の不安定症(捻挫ぐせ)、外反扁平足障害、外反母趾、スポーツ障害、足部変形などです。足部と足関節は人体の土台で歩行に最も重要な部分であり、この部分の痛みは日常生活を著しく障害します。
- 陳旧性リスフラン関節損傷
- 反復性腓骨筋腱脱臼
- 成人期扁平足
- 外反扁平足障害
- 凹足
- シャルコーマリートゥース病
- 足関節果部骨折(くるぶしの骨折)や踵骨骨折の変形治癒
- 外傷後の変形性関節症
- 足底腱膜炎(足の裏)
- 踵骨疲労骨折(踵全体)
- アキレス腱付着部炎(踵のうしろ)
- 足根管症候群
スタッフ紹介
足のリハビリテーション
当院では医師の診察・指示のもとで、理学療法士の国家資格を有するスタッフが入院・外来患者様のリハビリテーションを行っています。
足部・足関節の疾患・外傷は幅広く、リハビリテーションを行う上では個々の患者様の状態の理解が不可欠です。当院では術前後の情報共有や転院・退院支援のためのカンファレンスを毎週複数回行っており、患者様の治療の状態・方針に合わせたリハビリテーションを行っています。
1.身体機能評価
リハビリテーションを行う上では、身体機能を評価し理想的な状態と比較すること、改善しているかをチェックすることが重要であり、以下のような評価を行っています。
- 関節可動域
- 足関節および下肢全体の筋力
- 足部の形態
- 姿勢
- 歩き方
- バランス機能
- 生活、職業、スポーツ活動に合わせた動作能力
2.入院期、外来期のリハビリテーション
足部・足関節の疾患・外傷では、荷重の制限や様々な装具が用いられます。非荷重または部分的な荷重、装具着用時期を含めた歩行方法や日常生活動作方法の指導を行っています。
リハビリテーションの目標は、生活、職業、スポーツなどの活動により良い状態で復帰することです。それに向けた足関節機能改善のための、関節可動域訓練および筋力トレーニング、動作練習等の機能訓練を行っています。
3.足底板(インソール)作成
痛みの緩和や歩きやすくするための足底板を、お持ちの靴に取り付けられる形で作成しています。実際に装着して歩いて頂き、症状や歩きやすさをお聞きしながら微調整してお渡ししています。
4.治療機器を使用したリハビリテーション
超音波治療機器
超音波による物理的刺激により、以下のことが得られる治療法です。
- 温熱効果(痛みの緩和、循環の改善、組織の伸張性の改善、筋緊張の改善、筋収縮機能の改善)
- 非温熱効果(炎症の治癒、むくみの軽減効果)
神経筋電気刺激療法
麻痺や著しい筋力低下が生じた筋の収縮を促すことにより、筋機能回復を促進する治療法です。