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症例紹介
代謝・内分泌内科

糖尿病

糖尿病とは

“糖”はからだにとって貴重な栄養素ですが、血液の中にたくさん溜まってしまうと、血管にダメージを与えます。
糖尿病とは“インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群”と定義されています。“インスリン”とは血糖値を下げる唯一のホルモンと言われ、膵臓のβ細胞という場所から分泌されます。この“インスリン”の供給不足、または抵抗性が起きると血糖値を下げることができず、高血糖をきたします。これが長い期間続くと、感覚低下/異常感覚や失明、透析、狭心症/心筋梗塞や脳梗塞、足壊疽等を引き起こします。

症状

糖尿病の初期は基本的に無症状です。高血糖が著しくなると、喉が乾く、飲み物をたくさん飲む、尿がたくさん出る、体重が減る、疲れやすくなるといった症状が出現します。感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくくなることもあり、重症な例では意識を失い、命にかかわる状態に陥る可能性もあります。種々の合併症をきたすと、足がしびれる、便秘/下痢を繰り返す、立ちくらみがする、視力が落ちる、むくむ、胸が痛む、手足が動かなくなる、顔がゆがむ、呂律が回らない、冷え性、歩くと足が痛むなど、合併症に沿った症状が出現します。

診断

糖尿病の診断は血糖値と、HbA1c(ヘモグロビンA1c)という項目で判定し、血液検査でわかります。血糖値は食事とのタイミングで解釈が異なりますので、採血前にいつ食事をしたのかを確認する必要があります。HbA1cとは、採血した時点から過去1,2ヶ月間の血糖の平均値を反映します。精密検査として、ブドウ糖入りの飲料水を飲用し、採血を行う75g経口ブドウ糖負荷試験を行うこともあります。
糖尿病には1型、2型、その他の特定の機序、疾患によるものと、妊娠糖尿病があります。1型糖尿病とは膵臓のβ細胞が破壊されることでインスリンの分泌が低下する病気です。2型糖尿病とは肥満などのインスリンの抵抗性が主病態の病気です。その他の特定の機序、疾患として、膵疾患、内分泌疾患、肝疾患、薬剤によるもの等が挙げられます。

治療

糖尿病の治療は合併症を予防し、健康な人と変わらない日常生活の質の維持、寿命の確保を目標としています。そのためのコントロール目標は人それぞれです。
治療の基本は食事療法、運動療法であり、生活習慣の見直しが必要になります。薬物療法としては、現在使用可能な内服薬は大きく分けて7種類あり、注射製剤もインスリンとGLP-1受容体作動薬の2種類があり、これらを組み合わせて治療を行います。
インスリン治療も頻回皮下注射療法と持続皮下注入療法があります。持続皮下注入療法には、お腹などの皮下組織に専用のセンサーを装着することで、連続的に皮下のグルコース濃度を測定し、リアルタイムに血糖推移を確認できるSensor Augmented Pump(SAP)療法があります。血糖変動が著しく大きい方、予期せぬ低血糖を繰り返す方、厳格な血糖管理が必要な方などが対象となります。当院でもSAP療法の導入、継続加療を行っております。

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