コロナ禍にあっても安全な循環器疾患の治療を目指して
循環器疾患は多岐にわたり、患者さんのお困りの症状や病態も様々です。狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患では胸の痛みや違和感を覚えることがあり心臓の症状を心配される方も多いかと思いますが、呼吸困難や体のむくみなど直接心臓とは結び付きにくい症状も心臓疾患に由来する可能性があります。西部病院循環器内科では、ほぼ全ての循環器疾患を網羅し、検査・治療が行える設備を携えております。具体的には、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、心房細動などの不整脈、心不全、弁膜症、心筋症などの心臓病全般、並びに大動脈解離や肺塞栓症などの血管疾患などが対象となります。また、足の血管が動脈硬化により狭くなり歩行時に痛みを感じる下肢閉塞性動脈硬化症も当科の対象疾患となります。必要に応じて、当院の心臓血管外科とも連携を取り、患者さんそれぞれの病態に応じた治療を行っております。循環器疾患の管理を通して、近隣のクリニックの先生方とも連携を取りながら、患者さんのQuality of Life (生活の質)の向上を目指した診療を行ってまいります。
急性心筋梗塞をはじめとする、緊急処置を必要とする患者さんに対しては24時間体制で対応させていただいております。心不全や心筋梗塞に対しての心臓リハビリテーションや運動療法も積極的に行っております。心不全患者さんを対象とした心不全教室を定期的に開催し、医師のみでなく多職種での心不全管理を目指しております。2015年から開始した不整脈に対してのカテーテル治療(カテーテルアブレーション)もこれまでに800例以上を施行し、植込み型除細動器(ICD)、心不全に対してのペースメーカー治療である両心室ペーシング(CRT)植込み、さらには従来にはなかった、リードレスペースメーカーにも対応可能となっており、不整脈や心不全でお困りの患者さんに対してもより良い治療が提供できる環境となっております。尚、当施設は日本循環器学会認定循環器専門医研修施設、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医研修施設、ICD/CRT植え込み認定施設、日本心血管インターベンション治療学会専門医研修施設として認定を受けております。
現在、世の中はコロナ禍に見舞われており、近隣の住民の方々、クリニックの先生方も大変なご苦労をされていることと存じます。特に昨年春に当院で発生した院内感染では多くの皆様にご迷惑をおかけしました。昨年来、当院では感染予防を徹底しこの時代にあっても安全に心疾患の治療ができるように様々な取り組みを行ってまいりました。コロナ対策を行いつつ、通常診療の足を止めない方針で、当科でも日々心疾患でお困りの患者さんの診療に邁進しております。西部医療圏における中核病院の心疾患治療を担当するチームとしてこれからも皆様の頼りになるような診療を続けて参ります。これからもどうぞよろしくお願い致します。