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新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの違いと予防策

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新型コロナウイルス感染症がまだおさまらないこの季節、インフルエンザと併せて予防対策を!

新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行

新型コロナウイルスとインフルエンザウイルス

新型コロナウイルス感染症がまだおさまらないこの秋から冬にかけて、インフルエンザと両方が流行するのではないかと心配される人もいると思います。
日本感染症学会は8月3日、同時流行に備えて提言をまとめました。提言では現実的にはインフルエンザと新型コロナウイルス感染症を症状だけで見分けることが難しいため、できる限り両方の検査を行うことを勧めていますが、現実的には検査キットに限りがあるため全ての人で調べることができないかもしれません。
現時点でわかっている両方の特徴は表1の通りですが、必ずこれで区別がつくわけではありません。

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の違い

注1) オセルタミビル:タミフル、ザナミビル:リレンザ、ペラミビル:ラピアクタ、ラニナミビル:イナビル、バロキザビル マルボキシル:ゾフルーザ。
注2) COVID-19の治療ではレムデシベルが重症に対して承認、アビガンは承認待ち。
注3) ARDS(急性呼吸促迫症候群)とは肺炎や敗血症のために重症の呼吸不全を起こすもの。血液の成分が肺の血管壁を通り抜けて肺の中に浸み出すため、呼吸ができなくなる病態。

予防にはどのようなことが必要でしょうか?

新型コロナウイルス感染症とインフルエンザは鑑別することが難しいですが、予防方法は変わりません。主な予防策は次のとおりです。

1)インフルエンザワクチンを打ちましょう。

インフルエンザワクチンは、A型(H1N1, H3N2)、B型(山形系統、ビクトリア系統)の4種類のウイルスに対して効果があるように作られています。今年は過去5年間で最高の約6,300万人分が準備されています。今は接種を希望する人が多く、需要と供給のバランスが悪くなっていますが、これからどんどん作られてきますので、接種できないという心配はいりません。本年度は接種日現在65歳以上の方、あるいは60歳以上65歳未満の方で、心臓、じん臓、呼吸器の機能、又はヒト免疫不全ウイルスにより免疫機能に1級相当の障害のある方は無料で接種できます。接種できる医療機関については横浜市健康福祉局に問い合わせてください。

横浜市予防接種コールセンター
電 話:045-330-8561(FAX045-664-7296)
受付時間:9時~17時(土日祝日・年末年始を除く)

2)体調の悪い時には出かけるのをやめましょう。

インフルエンザと新型コロナウイルスは区別がつけにくいですが、それ以外の風邪も区別がつけにくいです。体調の悪い時には無理に仕事や旅行に出かけるのはやめましょう。

3)3密を避けましょう。

新型コロナウイルスが感染しやすい状況はかなりわかってきました。換気が悪く人が多く集まりやすい環境は避けましょう。一般には両方がマスクをかけた環境では1mはなれて15分以内であれば感染のリスクはかなり下がると言われています。

4)マスクをきちんとかけましょう。

マスクには自分が万が一感染者であった時に自分から人に感染させないための役割と人からの感染をさけるための二つの役割が考えられます。

①自分から人に感染させないために

スーパーコンピューター富岳のシミュレーションによると、どのような種類のマスクもある程度ウイルス粒子を出すのを防ぐことはできます。しかし鼻のところから粒子が漏れやすいので鼻のところをしっかりと抑えて鼻からあごまでしっかりと覆いましょう。鼻を出したかけ方では全く役に立ちません。
参考:Impress Watchホームページ

②人からの感染を予防するために

どのマスクを使っても粒子を完全に防ぐことはできません。部屋の風通しや、人との距離をしっかりととる必要があります。時々N95マスクをしている方を見かけますが、医療者でもN95マスクは訓練をしてもしっかりかけることが難しいマスクです。しっかりとかけると息が苦しく30分以上かけていることができません。病気のある方がしっかりとかけると低酸素になったりしますので、通常のマスクを使用してください。

マスクの付け方

マスクをつけるときは取扱説明書をよく読み、正しくつけましょう。鼻からあごまでを覆い、隙間がないようにつけましょう。
出典:厚生労働省ホームページ

5)手洗いをしましょう。

新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスも接触感染(ウイルスがついたところを手でさわり、その手で鼻や目をこすることで感染すること)を起こす可能性があります。手袋をしている方を見かけますが、手袋をしてあちこちを触った手で自分に触ってしまったら全く役に立ちません。手袋をするよりどこかを触ったらすぐに手を洗う方が有効です。手洗いは石鹸と流水で30秒以上、アルコールを使用しても15秒以上必要です。

6)肺炎球菌ワクチンを打ちましょう。

肺炎球菌ワクチンは今回のウイルスやインフルエンザを防ぐには役に立ちませんが、ウイルス感染に続いて起こる可能性が高い肺炎を防ぎます。肺炎といっても肺炎球菌による肺炎は全体の25%程度ですが、非常に重症になる可能性が高い肺炎ですので、65歳になったら接種しましょう(65歳は公費による補助があります)。

7)歯科治療をしましょう。

高齢になって起こす肺炎の多くは、口の中のばい菌を肺に吸い込むことで起こります。多くは寝ている間に起こります。口の中が汚いと肺炎を起こしやすくなります。歯槽膿漏、虫歯のある方は歯科できちんと治療を受けましょう。


正しい予防策を実施し、新型コロナウイルス感染症にもインフルエンザにも罹らないようこの冬を乗り切りましょう。
もっと詳しい対応方法を知りたい方は当院やかかりつけ医の医療スタッフまでお気軽にご相談ください。

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