当院では2015年より心不全チームを結成し多職種のスタッフが協力することで、心不全の方々の治療および生活などに関する教育・支援などを積極的に行っています。
チームが設置された目的
高齢化社会とともに心不全の方は急激に増えており『心不全パンデミック』と表現されることもあります。しかしながら『心不全』の実態を理解されていないこともあります。『心不全』とは一旦出現すると悪化を繰り返しながら徐々に進行することが多く、心不全の悪化を予防することと病気をコントロールしながら上手に付き合っていくことが大切です。
心不全の悪化を予防するためには、まず心不全とは何かということを理解することが大切となります。ご本人やご家族が心不全のことを理解した上で、薬剤による治療以外にも栄養のとり方や安全な運動の方法など、普段の体調管理に関して理解を深めることが特に大切であると捉えています。また社会的サポートに関しても具体的な手続きなどの方法を専門スタッフが行い、チーム一体となって皆さまをサポートするよう心掛けています。また入院から退院までの間にすべてを完結させるのではなく、外来管理や在宅管理に繋げることで定期的にフォローアップできる体制も築いております。心不全チームによる多職種の視点から様々な解決法を提案することで、皆さまの抱える問題を共有し少しでも不安を減らせるように努めております。
主な活動内容
入院されている心不全の方々の状態や問題点を正確に把握することが最も大切ですので、月2回の定期的なカンファレンスとともに、心不全教室を行っています。
また心不全セミナーという勉強会を定期的に開催し、連携している地域の医療スタッフと交流することで、病院・診療所・在宅などで異なる問題点がないか意見交換を行っています。看護師・医療ソーシャルワーカー・病棟スタッフが協力して、地域の機関と連携し退院調整を行っております。外来においても看護師、管理栄養士、理学療法士、薬剤師により入院中に気づけない点を中心に指導を継続します。また心不全と付き合うなかで苦しいことや不安を伴うこともありますので、その際には緩和ケアチームと連携してサポートしています。
当院は『横浜市心臓リハビリテーション強化指定病院』に選定されておりますので、スポーツセンターやスポーツジムでも運動療法を円滑に継続することが可能となります。また『心不全地域連携パス』という取り組みを導入することで地域医療の連携を深め、定期的な検査フォローアップとともに治療方針の見直し・新しい治療方法の導入などを検討することも可能となっております。
チームメンバーの職種
・医師
・看護師(心不全療養指導士、慢性心不全看護認定看護師、緩和ケア認定看護師)
・薬剤師
・理学療法士(心臓リハビリテーション指導士)
・管理栄養士
・患者支援センター(看護師・医療ソーシャルワーカー)
・臨床工学技士
・緩和ケアチーム