救命救急センター 阿部 都世子さん(家族支援専門看護師)
家族支援専門看護師は、患者を含めた家族という集団をケアの対象として、構造・機能・発達といった多角的視点でアセスメントし、家族ごとの価値観に寄り添いながら、家族が本来持つセルフケア能力を引き出し、危機状態を乗り越えその家族らしく歩めるよう多職種と協働して支援していきます。
超高齢社会となった日本では、近年ACPが重要視され、さらに新型コロナウイルス感染症のパンデミックをきっかけに、家族ケアの重要性がより叫ばれるようになっています。家族支援専門看護師は、入院時重症患者対応メディエーターとして、重症患者家族の支援を行なう役割を担うことが可能であり、診療報酬に繋がる存在ともなっています。
私は救命センターに勤務し、重篤な患者家族に多く関わってきました。死が迫る患者さんのご家族へ対するグリーフケア、脳死下臓器提供という選択肢を提示されたご家族の意思決定支援等を通して、家族看護の難しさを感じながらもご家族と関わることにやりがいも感じるようになりました。しかし、後輩育成の役割を担うようになると、家族看護として言語化する内容が自身の経験知であることに気づき、根拠ある教育が行えるようになりたいと考え、大学院へ進学し家族支援専門看護師の資格を取得しました。
今後は救命センターのスタッフと共に患者家族へのケアを充実させてゆき、ゆくゆくは当院に入院されたすべての患者家族がその人達らしく歩んでいけるよう取り組んでいきたいと思います。
感染制御室 松本 香さん(感染管理認定看護師)
~きれいな手・清潔な器材・衛生的な環境で、療養生活をサポートします~
感染管理認定看護師は、院内に出入りする全ての人を感染から守る役割を担っています。
通院や入院される患者さんが、安心して治療に専念出来るよう病院内の環境を整えています。感染防止対策とは目に見えない微生物との戦いであり、安心安全な医療を提供する為には、職員自身の感染を防ぐ事も重要です。全ての職員が感染予防行動をとり安全に業務を行えるよう職場環境を整えています。院内、地域の感染状況のみならず、世界の動向にも目を配り新興感染症への備えを行う事で、院内に出入りする患者さんやご家族さま、職員を守る為、日々の感染防止対策に邁進したいと思います。