看護と医学を統合したケアの提供
「周麻酔期看護師」とは、看護学を基盤とし、麻酔科学をはじめ薬理学、生理学、解剖学などの深い専門的知識と高い麻酔管理技術により周麻酔期における包括的ケアを実践していく新しい分野です。手術室のみならず、術前・術後はもちろんのこと麻薬・鎮静薬を使用する検査、救急医療、緩和医療等さまざまな場面でその活躍が期待されています。
私は、これまで救急・集中治療に関わる中で「看護師が鎮静・鎮痛管理や気道・呼吸・循環管理により深く関わることで患者アウトカムが改善されるのではないか?もっと患者の中で起こっていることが知りたい!」と考え、2年間の大学院教育を受講しました。卒後1年目の昨年度は救急科医師の指導のもとICU・HCUの患者ケアを行い、今年度は麻酔科医師指導のもと麻酔業務の補助を開始しています。
現在のところ、周麻酔期看護師は、認定看護師や専門看護師のような認定機関があるわけではありません。今後は、自らの臨床実践のアウトカムを可視化し、周麻酔期看護師の役割の確立に取り組んでいきます。また、医師と看護師の両者の思考過程を理解する役割として、質の高い医療をより円滑に患者さん、ご家族の皆さまに提供できるよう、努力し続けていきたいと思います。